CUBO
WORKS
2階
敷地面積 94.18㎡
構造 [2x4] 2階建
所在地 長崎市
施工年月 2025年3月
延床面積 92.46㎡
1F 48.78㎡
2F 43.68㎡

STORY

ストーリー

色づかいや素材の質感を大切に
さりげなくセンスをちりばめて

交通量の多いバス通りに面し、カーブが続く坂の途中。長崎ではよく見かける風景ですが、この場所が、S邸の舞台です。当初、長崎市中心部で土地を探されていたSさまでしたが、なかなか理想の物件に出会えずにいました。そこで私たちがご提案したのが、この「磨けば光る」原石のような土地。「造成工事が必要な分、土地価格は抑えられる」「長崎の高台ならではの眺望の良さ」、早速Sさまにご案内したところ、とても気に入ってくださいました。ちょうど長崎スタジアムシティが開業したタイミングで、華やかさを増した町並みを見下ろせること。そして家の斜め前がバス停というのも決め手のひとつに。というのも、奥さまがバスで町中まで出勤するため、「通勤時間はできるだけ短く」という希望もかなえられる、ぴったりの場所だったのです。

この場所で快適に暮らしていただくために、私たちは「足元」の整備に全力を注ぎました。道路に面していますが、特別な敷地の形状、限られた車横付けスペース、交通量も多い、と建築には難易度の高い状況からスタート。まずは車両がとめられる場所を確保するため、既存の擁壁を解体し、先行して車庫の造成にとりかかりました。さらに3本あった電柱のうち2本を移動するなど、関係各所との粘り強い交渉を重ねました。徹底した造成工事に約2ヶ月を費やしましたが、その甲斐あって、坂の街長崎で希少な「3台分の駐車スペース」を確保することに成功しました。

完成したのはグレーを基調としたシックな2階建ての家。グレーを基調としたオーバーハング(2階の張り出し)が印象的な、立体感ある佇まい。室内は、クリエイターであるご主人のお仕事と、プライベートを分けるゾーニングを行いました。1階には仕事部屋を配置し、重い機材の搬入出をスムーズにするため、駐車場から玄関への動線や収納計画に配慮しています。

オンとオフを切り替えるためのLDKは2階に。この土地の見晴らしの良さをいかした2階リビングからの景色は格別です。そのLDKにはこだわりの工夫が。それは「透明な壁」で仕切られたキッチンです。なんでも奥さまのご実家にネコがおり、キッチンへ入りこまないように工夫されていたそうです。将来、ネコと暮らすことも見据え、キッチンへの侵入を防ぎつつ、リビングにいる家族とは視線が合う――。機能と愛猫への愛情を両立させた、S様ならではのアイデアです。

今回の家づくりでは、Sさまご夫妻の洗練されたセンスが随所に光っています。お二人とも方向性が同じで、初めからしっかりとしたイメージをお持ちでした。空間の印象を左右するクロスは薄いグレー系でまとめ、床材はグレーをはじめスモーキーカラーと相性のいいオークのフローリングを。さらにコンセントまわりのカバーは、LDKなどのパブリックな空間だけマットな質感のものを採用。色の選び方やバランス、組み合わせ方の一つひとつから、クリエイターとしての視点・感性に感銘を受けるばかりでした。「思ったとおりの感じになった」とのお言葉をいただき、スタッフ一同、心からうれしく感じております。